過去旅*神戸から

またリアル旅できるといいな

*洲本市立淡路文化史料館*


「当館は江戸時代の初めに築かれた洲本城跡(平城)にあり、背後には緑したたる山、全面には城の石垣と堀がある閑静な雰囲気の中に建っています。
この地は瀬戸内海国立公園の一角をなし、史料館から背後の三熊山山頂に築かれた国史跡洲本城(戦国時代の山城)へは徒歩20分、旧城下町の市街地中心部へは数分で行くことができます。
白砂青松の大浜海岸は数10mのところにあり、いずれも格好の散策コースです。」


館内撮影禁止のため、展示概要を記載します。


<大展示室>
民俗芸能とまつり
大展示室では、国の重要無形民俗文化財の指定を受けている淡路島の代表的な民俗芸能である淡路人形浄瑠璃の人形の頭や、太夫が使う見台・三味線などを復元舞台を中心に展示しています。
また、この部屋では、だんじり(檀尻)を展示していますが、引きだんじりや肩にかつぐかきだんじりは祭りの花形で、宮入りの時に歌われるだんじり唄は淡路を代表する民謡の一つです。


<歴史展示室>
淡路島の歴史を出土遺物、金工品、文書、模型、写真パネルなどの資料を通じてご覧いただけます。
展示品の中では、邪馬台国の女王卑弥呼と関係の深い鏡、国内最古級の鉄造宝塔、羽柴秀吉や石田三成の書状、徳島藩主や洲本城代のゆかりの品々、洲本の城下町資料などが見どころです。
別コーナーでは淡路の伝承”国生み神話”をモチーフにした展示をしています。


<民俗展示室>
ここでは海と漁業にかかわる民具、絵馬、淡路出身の豪商高田屋嘉兵衛が北海に雄飛した時の北前船の20分の1の模型、昔の農耕具、庶民の日常生活用具などを展示しています。
別コーナーでは、郷土関係者の美術、文学作品を展示していますが、とくに洲本出身の明治の文豪、岩野泡鳴自筆のはがきなどは見逃せないものです。


<直原玉青記念美術館>
この記念館は、幼少期を洲本で育った南画の大家直原玉青画伯から画伯の作品とそのコレクションの寄贈を受けてつくられました。
禅宗黄檗宗の僧でもあり、また、俳人でもある画伯のコレクションには、南画のほか、禅の高僧や俳人子規、虚子、井泉水の書跡など貴重な資料が集められていて多彩です。


屋外には 顔はめ看板


「屋外展示には、自然庭園のほか、文学碑、句碑、道標、洲本城や成山城石垣の刻印などの石造文化財を展示しています。」


昭和58年5月建立
自然主義文学五大作家の一人である泡鳴(岩野美衛)は、明治6年(1873)に洲本で生まれた。
岩野家は、代々阿波蜂須賀家の江戸詰直参であったが、泡鳴の祖父のときに淡路へ移住した。
14歳まで家族と共に洲本で過ごした泡鳴は、この近くにある日進小学校(現在の洲本第二小学校)を卒業した。
この詩碑は、泡鳴誕生110年にあたり、泡鳴の三男岩野眞雄氏が来館されたのを機に建立した。
碑の原字は『岩野泡鳴論』などの著書である伴悦氏が書かれたものである。


故郷の秋
みやこ 遠く 立ちいで
    帰り来てし ふるさと
ふるき ことの 思ひで
    爰(ここ)に 忍ぶ 橋あと。
嘗ッて 千鳥 に さそわれ
    いづる 月 の ちらちら
むね も 散りし 小ながれ
    いまに 残る 木ばしら
          第一詩集「露じも」より



次は、「南あわじ市滝川記念美術館玉青館」です。